虚無と狂気
だが、“悪魔のキューピー“といえば、やはり『仁義なき戦い』の若杉寛(梅宮辰夫)だろう。
互いの血を啜って盃を交わし、その後、剃刀で自ら腹を切って出所を企てるシーンは、作品中でも屈指の名場面。
これが実話だというのだから凄まじい…。
しかし、本物の“悪魔のキューピー“こと大西政寛は…
ベビーフェイスな男前であった。
こんな外見ではあるが、いったん怒りに火がつくと、鬼の形相となり、もう誰にも止められなかったという…。
激動の時代を、飛び散る血しぶきと共に生きた侠(おとこ)たちが、確かにそこにいたのだ。
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